やまんばと

2018年6月からスイス・ジュネーブ在住。ヨーロッパの田舎、日本の地方をキーワードに発信。

テント泊登山と適切なレベル感のすすめ~三大急登の黒戸尾根から~

三密回避ということもあり、今回初めてテントを担いでの登山を決行した。行先は甲斐駒ヶ岳。宿泊は標高2400メートル地点にある甲斐駒ヶ岳の七丈小屋である。 これまで登山をするたびに、二回り大きなサックを背負って登る人たちを憧れと半ば自分には無理だと…

スイスと山遊び

東京に戻ってきてから1年が過ぎた。 戻ってきてからはずっとコロナで、本来なら存分に楽しみたい友人との再会も実現できないままだ。それでも、この1年合間を縫って楽しんだことがあるー首都圏からそう遠くない日本の山々だ。 行く度に山の魅力に魅せられ…

ダークツーリズム

ダークツーリズムは最近出会った言葉だ。 人類の悲劇を巡る旅(井出明、2018『ダークツーリズム』)と定義されるという。具体的には、大量虐殺、戦争、人的・自然災害等が起こった場所を訪れることを含む。 友人と旅の話をしていて、何でわざわざそんなとこ…

クリスマスマーケットの輸出戦略

12月のハイライトの一つは、ドイツのクリスマス・マーケット。日本で喧伝されている3大クリスマスマーケットの一つ、ニュルンベルクを訪れた。ニュルンベルクにはクリスマス期間だけで200万人の観光客が訪れるという。 わざわざ旅行しておきながら、しょせん…

ヨーロッパ的生き方と日本的生き方の狭間で

まだ日本で働いていた頃の激務っぷりを話した私に、イタリア人の友人は仕事が全てではない、人生は楽しむものだと真顔で言った。私の頭の中にはとっさに、これだからイタリア経済は停滞しているんではないかという意地悪な声がよぎったが、南部イタリア出身…

スペイン・リオハのワイナリー 家族の一員になる1晩

フランスとスペインの間にまたがるピレネー山脈を越え、サン・セバスチャンからマドリードに車で向かう道中、ワインで有名なリオハ(La Rioja)に立ち寄った。 スペインの代表品種、テンプラニーリョが多く生産され、約90%が赤ワイン。リオハのワインは、19…

キッチンのダイヤモンド、白トリュフの祭典

トリュフには色々な種類がある。色々を大雑把に分けると、白と黒、ということらしい。白はその香り高さが際立っているとされている。 トリュフは言わずもがな世界三大珍味として知られるキノコの一種だが、黒トリュフはフランスが主生産地、人口栽培も可能で…

住民150人の「最も美しい村」たち

この週末は、シャトーシャロン(Chateau Chalon)とボーム・レ・メッシュー(Baume-les-Messieurs)という村を訪れた。フランス南東部のジュラ(Jura)地方にある、最も美しい村である。ジュラ地方は、スイスとの国境付近に広がり、ワイン生産でもよく知られる…

「フランスの最も美しい村」に魅せられて

これまで訪れた「最も美しい村」は4つーレマン湖沿いのイヴォワール(Yvoire)、リヨン近くのペルージュ(Pérouges)、アルザスのリクヴィル(Riquewihr)とエギスハイム(Eguisheim)である。 面白いのが、どの村もキャラが立っていること。 まず、レマン…

ピレネー山脈の向こうはアフリカだった

かのナポレオンが言ったとされる言葉である。 ピレネー山脈は、フランスとスペインの国境に連なる山々で、古くはイスラムへの防波堤として機能してきた。イスラム文化との融合が見られ、その異国情緒さがアフリカという表現につながったという。4,000メート…

グルメな町、サン・セバスチャン

食べることが大好きな私にとって、スペインの北東部、フランス国境近くにあるこの街はまさに天国だった。とにかく、おいしいのである。楽しみ方は色々。ミシュラン3つ星レストランで、趣向をこらした料理たちにゆっくり舌鼓を打つも良し、バルをはしごしな…

スペインのトマト祭りに参加してみた

8月29日、ラ・トマティーナ(La Tomatina)と呼ばれる、スペインのバレンシア州にある小さな町ブニョールで開催される、年一回のお祭りに参加した。日本のバラエティ番組でも度々取り上げられる、あのトマトを投げ合う祭りである。聞いていたとおり、本当に…

スイスの小さな村のスノーシューと地元の名産めぐり

2月になるが、スイス東部のChâteau-d'Œx(シャトーデ)という町のスノーシューのイベント、” Rallye du Goût”(味めぐり)に参加した。40フラン(約4,500円)で、約2時間のスノーシューでのハイキングと共に、地元生産者が立てる地元産品のスタンドをスタ…

ファームステイ@ポルトガルワイン農家

GWを利用して、ポーランドのポルトと、ワインの生産で知られるDuoro川沿いの都市、Lamegoにあるワイン農家を訪れた。 日本だとポルトガルワインのイメージはあまりないかもしれないが、酒精強化ワインのポートワインと言うとしっくりくるのではないだろうか…